ピラミッド型のピミアナカス寺院。
13世紀末にカンボジアを訪れた中国人周達観が聞いたところによると、
かつてはここに黄金の塔が立っていて、その中に王国全土の主であるところの
頭が9つある蛇の精(ナーギー)が棲んでいる、とカンボジアの人々に信じられていたという。
ナーギーは夜な夜な女性の姿で現れる。
アンコール朝の国王は何人もいた后の寝所へ行く前に
かならず最初にナーギーと寝ることになっていた。
王がこの義務を怠れば、たちまち災厄が降りかかるというのである。
また、ナーギーが姿を現さなくなれば
それは王の死期が近いことを示すとされた。
撮影地 カンボジア アンコール・トム ピミアナカス寺院
Phimeanakas, Angkor Thom, Cambodia
(2007年10月)