オレンジキャラメルソースがからまったバナナはとろけるように柔らかく、
アイスクリームにも良く合う。
黒砂糖やラム酒をつかった、土俗的な味を堪能して欲しい。
材料費も安いし、食物繊維の豊富なバナナ、
ミネラルの豊富な黒砂糖などが材料なので、
デザートとしてはなかなかヘルシーであると思う。
そして、この料理の楽しいところは、なんといっても
洋酒をふって火をつけるところだ(これを料理用語でフランベという)。
パーティーでやってみせれば、
人目を引くはずである(実験済)。
ちなみにバナナフランベは、もともとはニューオーリンズのホテルで作り始めた
デザートで、別名をバナナ・フォスターという。
「材料」
バナナ 2本
黒砂糖(粉末) 大さじ2杯(30ml)
オリーブ油 (又は バター) 適量
オレンジ 1/2個 又は 1個
ラム酒 又はコアントロー、グラン・マルニエなど 大さじ2(30ml)
ナツメグ(パウダー) 約二振り
バニラ・アイスクリーム(オプション)
「作り方」
1.バナナの皮を剥いて、適当な大きさに切っておく。
私はたいてい輪切り方向に二等分、
更に縦に二等分の四等分にする。
丸ごとがいい人はそれでも大丈夫(皮だけは剥くこと)。
2.オレンジを絞っておく。
余力がある人は、
皮のオレンジ色の部分を細切りにしてオレンジピールにし、
仕上げにバナナフランベの上に飾ると、
見た目も美しく、良い風味も加わる。
3.フライパンを中火にかけ、オリーブ油をひく。
オリジナルのレシピではバターを使うのだが、
私の家ではバターを常備していないので、
ヘルシーなオリーブ油を使うことが多い。
4.まず、黒砂糖(粉状)の半量をフライパンにふりまく。
先に黒砂糖を入れることで、黒砂糖をキャラメル化させるためだ。
オリジナルのレシピではブラウンシュガーを使うのだが、
近所の店には置いていないため、黒砂糖をつかうことにしている。
黒砂糖はたいへん風味が強いものだが、
バナナがそれをしっかりと受け止めてくれる。
その他の材料も、目分量で適当に入れておけば、
全てバナナが受け止めてくれるはずである。
バナナは偉大だ。しかも安い。
5.つぎに、フライパンにバナナを並べ、
残りの砂糖を上から振りかける。
多少ムラになっても問題ない。
出来た頃にはちゃんと混ざっている。
6.バナナに焼き色がついたらひっくり返す。
7.反対側にも焼き色がついたら、ラム酒を入れてフランベする。
ラム酒の代わりにオレンジ系のリキュール
(コアントローやグラン・マルニエなど)でもおいしい。
火をつけるところがこの料理の最大の見せ場だ。
今回はA)、B)、C)の三通りの方法を紹介する。
A)これが最も普通、かつ安全な方法だ。
安全度が高くても、見栄えは充分。
フライパンに分量のラム酒を入れる。
ラム酒が暖まったらフランパンを傾けて、
フチを火に近づけると、パッと火がつく。
B)更にパフォーマンス色を強めた派手な方法。
お玉に分量のラム酒を入れて、
フライパンの空いているところで熱する。
ラム酒が熱くなったところで、
お玉のフチを火に近づけると、
お玉の中のラム酒が燃え出す。
燃えるラム酒を胸ぐらいの高さから
フライパンのバナナの上にたらす。
(高さは個人の好みで調節してもらってけっこう)
暗いところで見ると、
お玉から炎をたらしているように
見えるはずだ。
フライパンに落ちたラム酒は
一気に炎を上げて燃え出す(写真)。
ちなみに、写真ではラム酒の分量をかなり多めにしているため
派手に燃えているが、大さじ2杯程度ならこんなに恐ろしい炎は
出ないので安心してよい。
また逆に、洋酒の分量を多くして派手に燃やしても、味的にはまったく問題ない。
バナナが多めの洋酒の風味もしっかりと受け止めてくれるだろう。
しかし、火事には十分注意して欲しい。
C)上の方法のバリエーション。
オレンジの皮をくるくるっと
一つなぎに剥いておく。
オレンジの端をフォークに刺して、
バナナの上にかざす。
燃えているお玉のラム酒を
オレンジの皮を伝わらせて
バナナの上にたらす。
ポンペイ(ポナペ)島のリゾートで
やっている方法だ。
ただし、オレンジの皮にもラム酒がついてしまうので、
バナナにまで到達する分量が減ってしまう。
必要に応じてラム酒の分量を調節する必要があるだろう。
ちなみに、燃えている炎の上からナツメグパウダーを
を振りかけると、ナツメグがパッパッと燃えて、また見栄えがいい。
せっかくのナツメグを燃やしてしまうのも我ながらどうかと思うが。
パフォーマンスの必要がなければ、
ナツメグは仕上げに振れば良いだろう。
8.絞って置いたオレンジの果汁を加えて、煮詰める。
9.仕上げにナツメグを振る。
シナモンでもいいが、ナツメグがとても良く合うので
お持ちの方はぜひ試してほしい。
ナツメグも風味が強いものだが、
バナナが受け止めてくれるので、
多少振りすぎても心配ない。
10.お好みでアイスクリームを添えて、いただく。
アイスクリームはなくてもかまわないし、
なくてもたいへんおいしいはずだ。
しかし、アイスクリームとの相性が
また非常によいのである。