天売島西端の赤岩展望台にて。
天売島はウトウという海鳥の世界一の繁殖地で、
その数はおよそ60万羽。
繁殖期になると、空を埋め尽くすようなウトウが、口々に餌の小魚をくわえ、
雛の待つ巣穴へといっせい帰巣してくるところが見られる。
写真の手前に写っている白い鳥はウミネコで、
ウトウがくわえてくる小魚を横取りしようと、
こちらも群をなしてウトウを待ち受けている。
画面奥の、羽根が黒くて腹が白い鳥と黒点のような
シルエットになっているのがぜんぶウトウである。
闇に紛れて、ウミネコの妨害網を突破し、
巣穴で待つ雛に餌を届けようと、機をうかがっているらしい。
ウミネコの方は、ウトウがくわえている小魚が
闇の中でわずかに銀色にきらめくのをたよりに、
餌を横取りして、自分の雛に食べさせようと
しているのだそうである。
世界でも珍しいといわれる、天売島の見どころである。
最盛期は5月20日頃から7月20日頃までだそうである。
ウトウの巣穴
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●撮影について
撮影に当たっては、夕焼けをバックにウトウの群が飛び交っているような
場面をイメージしていたが、この日はあまり綺麗に夕焼けせず、またウトウの数は
闇が深まってからのほうが増えていくこともあり、なかなか難しかった。
一番上の写真は日没の約30分後に写したもの。
ニコンD80に28mmF1.4レンズとSB-800スピードライト使用。
この日は風が強く、砂埃が飛んでいた。デジタル一眼レフを使用している人は
レンズの交換時に注意が必要だろう。私もローパスフィルターにゴミをつけてしまった。
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●ウトウ・ナイトウォッチングの見方
ウトウの集団帰巣が観察できる赤岩展望台まで、港や宿泊施設から約6〜7kmぐらいある。
宿を通じて観察ツアーを申し込むのが、もっとも一般的な見物方法。
私はキャンプ場から歩いて見に行った。
その他、レンタル自転車、レンタルバイク、レンタカーなどの利用も考えられる。
天売島にはマムシがいるので注意すること。
日没後はかなり涼しくなる。風が強いこともあるので、
防寒着の用意も忘れずに。寒がりの私はこの日、
ダウンジャケットを着ていたぐらいだ(6月12日)。
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●余談
見られる時間がフェリーと高速船の最終便が出た後なので、
天売島に宿泊しないと、この光景は見られないことになる。
であるから、天売島に宿泊する観光客は比較的多いが、
お隣の焼尻島には天売島からの帰りがけに日帰りで寄るだけ
というパターンになりがちなのだそうだ。
とはいえ、焼尻島もなかなかいいところなので、
できれば宿泊してゆっくりと見ていって欲しいところである。
撮影地 北海道 天売島
Teuri Island, Hokkaido, Japan
(2007年6月)