焼尻島名物、顔の黒いサフォーク種の羊。
この羊たち、私が近づいたときには逃げてしまったのに、
牧場の人が来るといっせいにそちらに集まっていった。
いったい、どうやって羊を集めたのだろうか。
「いやー、羊は牧草が残っていても、自分の臭いがついた草は嫌がって食べないのサー。
だから俺が来ると、別の牧場に連れてってくれるのかと思って、勝手に集まってくるのサー」
ということであった。このことからわかるのは、
1.羊は人間の個体を識別できる。
2.羊は人間が自分たちを新しい牧場に連れて行ってくれることを認識している。
ということである。それなりに知能が高いようだ。
また、自分の臭いがついた草を食べないという習性は
一カ所の草を食べ尽くしてしまわないために役立っているのかもしれない。
牛は草の葉しか食べないのに対し、羊は根まで食べることが出来るので、
羊が食べ尽くした牧場はひどく荒れて、再生不能になってしまうのである。
このことがアジアやアフリカで進行する砂漠化の一因にもなっているという。
しかし、自分の臭いがついた草を嫌がる習性があれば、
羊は牧草がまだたくさん残っていても別の牧場に移動してしまう。
当然、牧草を根まで食べ尽くすことも起きない。
全体として草が不足しない限り、牧場を再生不能になるまで
やたら食い荒らしたりはしないようになっているのだろう。
以上、素人が3分間の経験から適当にまとめ上げた考察でした。
撮影地 北海道 焼尻島
Yagishiri Island, Hokkaido, Japan
(2007年6月)