エチゼンクラゲの食べ方は...

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さて、↑これをどうおいしく食べようかという話。
 
 

ここ数年よく大量発生し漁業に被害を与えているエチゼンクラゲは、
どうやら中国沿岸で繁殖したものの一部が
海流に乗って日本近海にやって来ているのだそうだ。

クラゲといえば中華料理の前菜によく出てくるものでもある。

ならばエチゼンクラゲも中国に輸出すればいいではないか、
誰でもそう考えると思うのだけれど、現実には
そううまくいかないものらしい。

クラゲは取れたものを丸ごとそのままで流通させるものではなく、
通常は塩とミョウバンに漬けて水分を抜いたものを利用するのだ。

そういったコストを含めると、人件費の安い中国などの
製品になかなかたちうちできないものらしい。

だいたい、エチゼンクラゲは中国で発生した個体群の一部が日本近海に
やってきているもので、一部がやってくるだけでいまのごとき惨状を呈しているのだから、
繁殖地の中国にもさぞかしたくさんいるのではないかと思われる。

エチゼンクラゲより品質がよいとされ高値で取引されているビゼンクラゲの場合は、
中国でも乱獲にならぬよう漁獲制限を設けているそうだから、
こちらが日本で大繁殖しているのであれば輸出もできたであろうに。

そういえばビゼンクラゲなら、さいとうたかをの「サバイバル」にも顔を出していたような気がする。

確か、食べ物を探していた少年がせっかくビゼンクラゲを捕まえたのに、
それが食べられるものだと知らないものだから捨ててしまうという話だったような気がする。
子供のころに読んだきりだから間違って覚えているかも知れないけど。

まあ、食べても栄養はあまりなさそうなので、
捨ててもさほど惜しくはないように思う、、、話がずれた。
 
 
 

輸出がだめなら国内で売れないものだろうか。

だが残念なことに、国産のエチゼンクラゲにこだわる業者もいるものの、
国内で売られているクラゲの大半は輸入物であるらしい。

エチゼンクラゲは100kg以上にもなる。

そんなに重いものを水揚げして運搬するだけでも一苦労だ。

作業を機械化して大量生産すればコストも下がるかもしれないけれど、
そもそも大量に生産してもさばけなさそうであるし、
だいたいそんなに設備投資をしておいて、
来年からクラゲが流れてこなくなったらどうすればいいのだ。

エチゼンクラゲは安定供給という点でも難があるのである。

ためしに楽天市場で取り扱っているクラゲ食品を
調べてみたところ、原産地表示のあった製品は
すべてインドネシアかマレーシアからの輸入クラゲを使用しており、
国産のクラゲはまったく使われていなかった。

ここ数年、嫌というほどエチゼンクラゲが網に入ってきているのにもかかわらずいまだにそんな状況なのである。

国内ですらそういう状況なのでは、まして本場の中国に輸出するのはさらに無理な話であろう。
 
 
 

だが日本では年によって大量に流れているエチゼンクラゲの被害を受けている。

これはせめて食用にするしかない、という使命感に燃える人がけっこういるようで、
国内の需要を喚起すべくさまざまなクラゲ料理が試作されてきた。
 

さしみクラゲなんてのもある。おそらく刺身こんにゃくからの発想であろう。

クラゲのナタデココ風なども試作されたと聞いたことがある。

いくらなんでも、クラゲなんかデザートにしてもだめだろうと思っていたのだけれども、
なんと今ではさまざまなエチゼンクラゲデザートが売られているそうである。

エチゼンクラゲ入りフルーツ・ポンチとか、エチゼンクラゲ入りアイスクリームとか。

クラゲの粉末入りクッキーなんてのもできたそうだ。
 

どれも食べられる味にまとめてあるそうである。
 

クラゲだからと言ってデザートにしたら気持ち悪い
などという固定観念に縛られていてはダメなのだ。
 

別にエチゼンクラゲじゃなくても本物のナタデココでいいんじゃないかという
気もするが、案外この路線は面白いかもしれない。

あとは、健康だ。健康によいと話題になった食べ物は売れる。

幸いエチゼンクラゲには体によいというコラーゲンが含まれているらしい。

なるほど、コラーゲン好きの中国人が好むわけだ。
熊の掌だとかフカヒレだとかツバメの巣だとか
中国人が体に良いとして珍重する食品はコラーゲン系が多いではないか。
 

というわけでクラゲのコラーゲンで作ったサプリメントなんてものも製品化されているそうだ。
 
 

これは意外と有望だという気がしてきた。

近い将来、健康食品エチゼンクラゲが大ブレークするのかもしれない。
 

落ち着いて考えてみると、やはりダメそうな気もするけど。
 
 
 

撮影地 秋田県 男鹿半島
Oga Peninsula, Akita-ken, Japan 
(2006年10月)



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